フォトグラファー
大塚 健一朗ブログ

大塚、カメラマンになる 5

2021.01

なぜか、撮影には興味がなかった。

なぜか、撮影の練習に気がのらなかった。

今思えば、写真が撮りたいからこの業界に入ったわけではなく、尊敬したカメラマンの考え方を学びたくて、側で話を聞きき、自分の考え方を高めたかったので、撮影には情熱がなかったと思います。

そんな時、撮影カメラマンがどうしても足りない状況が発生し、私が1組の結婚式を初めて担当することになりました。でも、私は『大丈夫、カメラが写真を撮ってくれる!』と、最低なカメラマン思考で進めていきました。本当に最低な私でした。

神様は見ておられるんですよね・・・・この最低な私に制裁を下されました。

 

撮影当日、式場へ行き撮影段取りを行っていると、プランナーさんが『大塚さん、すみません。本日の親族集合写真はお部屋ではなく、大広間の階段の下でお願いいたします。』まずい!!と身震いしたのを覚えています。

60人の記念撮影を一度に行う『親族集合写真』。いつも撮影する部屋でのストロボ(強力な光を放つ撮影機材)の発光設定数値を円覚え、置く位置・角度も決まっていたので、別の場所で撮影することを想定しておらず、どうしていいのか頭が真っ白になりました。

『撮影後の編集作業で、明るくすれば、大丈夫だろう・・・カメラが写真を撮ってくれるから』

集合写真の時間になり、参列者の方々が階段に並び始めると、思ったより列が多く奥の方に並ぶことになり、『まっ、大丈夫だろう・・・きっと』と、感覚で機材を配置し、撮影しました。

披露宴が始まり、写真明るさ設定の仕方がわからないまま、感覚で撮影しました。本当に最低なカメラマンでした。

披露宴撮影中も、『集合写真ちゃんと撮れてるんだろうか・・・』『今の撮影、明るさ大丈夫?』『指輪の交換シーン、指輪が写ってなかった気がする・・・』などずっと考えていました。

撮影が終了し、ネガフィルムを現像処理に出した時には、これからとんでもないことが起きるなんで知る余地もありませんでした。