フォトグラファー
大塚 健一朗ブログ

【受賞作品の秘話】東京と鳥取をつなぐフォトウエディング。

2021.10

お二人との再会

 

受賞が決まった時に、新郎新婦さんへ連絡するとすぐに駆け付けて来てくれました。

「お願いして本当に良かったです!あの日の感動は忘れられません。

しかも私たちの写真が世界のコンテストで最優秀賞を受賞するとは思ってもみなかったです。

東京に居る家族も全員大喜びなんですよ!」

そう言って一緒に喜んで下さるお二人と一緒にあの日を振り返りました。

 

スタジオ撮影

 

家族LINEで日頃の出来事を連絡しあうくらい仲がいいご家族。

コロナ禍で撮影に来られないご家族の写真をメイクルームに飾り当日を迎えました。

そして、この日の撮影はあるサプライズを計画しておりました。

新郎さんから新婦さんへ花束のサプライズです。

普段からあまりプレンゼントをしたことがないと話してくれた新郎さん。

この機会に彼女に気持ちを届けたい。そう言って花束をご準備されました。

サプライズは大成功!

『これからもよろしくね』この一言がとても嬉しかったと新婦さんはおっしゃってました。

この花束はすぐにスタッフがブーケとして持てるようにリボンをつけ、

この日ずっと新婦さんの手元にありました。

新郎さんを見つめる新婦さんの表情がその喜びを語っていました。

 

ロケーション撮影

 

お二人が選んだロケーション先の一つは新郎さんのご自宅でした。

お庭でお二人とご両親の撮影。

こうして家族で撮影するのも久々で少し緊張しておられましたが、

手を繋ぐとすぐに自然と笑顔が溢れました。

笑顔あり、涙あり、思い出話あり、感謝の言葉あり。

そんな時間もPhoto Weddingには大切な時間なのです。

 

素直な言葉が交わせるワケ

 

撮影時にはカメラマンとフォトプランナーがご家族やお二人と言葉のキャッチボールをしていきます。

その言葉を隣に居るご両親さん、パートナーさんに渡しながら

『今後の人生を支え合って生きていくこと』を誓います。

ヒアリングで伺ったご両親さんとの思い出なども交え

自然な会話の中から心からの気持ちが溢れ出し、

心が繋がるように繋げていきます。

形式にとらわれずその時の状況やタイミングで。

撮影までの打ち合わせで、沢山お二人を知ることから準備は始まります。

わたしはこの時間を一番大切にしています。

お二人が出会った瞬間のお互いのイメージ、お付き合いに至るまで、

お互いが大切にしている価値観、お仕事の事など、

そしてご両親さんの事も詳しく聞かせて頂きます。

お互いの思っている言葉にならない気持ちを我々が引き出し、

写真撮影のアイデアや、撮影場所などより具体的な提案に繋げるのです。

撮影後にお母様が我々に話してくださいました。

『本当に嬉しい時間をありがとうございました。

息子と手を繋ぐことはもうないと思っていましたし、息子の気持ちを直接聞けたことは宝物です。

あまり思ったことを喋らない息子なので。

お嫁さんにも私が想っていることを直接伝えることも出来ました。

一番嬉しかったのは、お父さんと息子と一緒に笑顔で会話が出来たことです。

本当にありがとうございました。』

 

五感が蘇る場所

 

ロケーション撮影では小さいころよく遊んだ、ご自宅付近の橋の上で撮影。

見慣れた景色も違って見えたと思います。

この場所を見ると思い出す幼少期。子供の頃この橋の上で

どんなことを思いながら、どんな風に自宅や周辺を眺めてたのでしょうね。

そんな感情も想像しながらその場所に立って頂きました。

 

次のロケ先に向かう途中。

車窓からあまりにも綺麗なススキの一面を見つけたので急遽降りてみることに。

タイムスケジュールに限りはありますが、『あっ!』と思う場所があった時、

瞬時にその後のスケジュールを調整し可能にしてくれるアシスタントがいるのも

心置きなく撮影できるチームワークがあるからこそです。

道端にある何気ない風景がこんな風に

素敵な一枚となるのです。

 

そして目的地に到着。

ここはフォトスポットで有名な倉吉市で関金町にある旧国鉄倉吉線廃線跡。

ノルディックなどでも沢山の人が訪れる場所です。

▷旧国鉄倉吉線廃線跡はこちら

撮影で訪れた場所が、新たな二人の想い出の場所になることもあります。

すべては二人の未来に繋がると思うのです。

撮影事例でも紹介していますのでご覧ください。

 

大塚の代名詞 「海」「ベール舞う新婦」

 

撮影の締めくくりは今回の受賞作品を撮影した海岸です。

海での撮影は新婦さんの念願の場所でもありました。

『10年先もきたくなる写真を撮ってほしい』

その熱意もあり、11月の海風のい中ではありましたが、

それを感じさせないお二人の表情に感動しました。

撮影が進むにつれて、雲の流れも速くあっという間に雲が厚くなってきます。

雲が厚くなり、夕日が徐々に薄くなっていきたので、

海撮影で一番ご希望だった『ベール撮影』を行うことに。

風も強く、寒さで手も震えだした。この撮影の様子はこちらへ。

 

そしてその写真が世界最大級プロ写真家協会PPA主催のIPCにて最優秀賞を受賞しました。

撮影をお願いして本当に良かったです。

好きな写真が撮れて、挙式も出来てどの写真も私たちの宝物です!

夢を叶えてくださりありがとうございます!と笑顔で話してくれました。

今回の受賞した写真は、お二人の大切な時間の一部であり、

この写真がお二人の喜びになれたことは、

カメラマンとしても大きな宝物となりました。

これからも一瞬一瞬の喜びを、写真を通してお届けしたいと思います。